テレアポが時代遅れに見えるのは、こっちが”昭和スタイル”でやってるから説
「テレアポって意味あるの?」
「そんな時代遅れな仕事かわいそう」
みなさんはテレアポに対して、このようなイメージをお持ちではないですか? ご自身のスマホによく営業電話がかかってきて、うざいと思っている方もいるでしょう。
ですが、、本当に時代遅れなのは”テレアポ”そのものではなく、その「やり方」です。数打ちゃ当たる、気合で架電の昭和スタイルは生産性が低く、令和のいま通用しないのは当然といえます。
そこでこの記事では、テレアポが時代遅れと思われがちな理由から効果的な架電テクニックまで、1000社以上の営業支援をしてきた筆者の経験を踏まえてご紹介します。
インバウンド全盛の時代に広まる「テレアポ=時代遅れ」説
テレアポが時代遅れと言われる背景には、インバウンドマーケティングの進化があります。
たとえばSEOで自社のページを上位に表示させる、SNS営業で見込み客を集めるなど、近年はいわゆる「待ちの営業」がどんどん洗練されてきました。
一方でテレアポは「電話がウザい」「アポ率が低い」「断られ続けて精神が削られる」と、ネガティブなイメージのコンプリート状態です。私自身も長くセールス業界に携わっていますが「いまは勝手にリードが入ってくる仕組みがあるのに、 電話営業は非効率では?」という雰囲気は現場にも確実に広まっています。
実際、数字で見てもアウトバウンドからインバウンド志向への変化は鮮明です。B2Bマーケティング株式会社の「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023」では、製品やサービスの検討段階における主な情報源として「各種Webメディア」が47.9%に対して営業担当者は24.3%とビハインド。リアルな場よりも、Web上でのコミュニケーションが浸透していることが分かります。 出典:B2Bマーケティング株式会社 調査レポート(2023年)
このインバウンドシフトの波を受けて、「テレアポなんて時代遅れだ」という声がますます大きくなっています。ただ、ここで筆者が言いたいのは「テレアポ=時代遅れ」はすべての会社に当てはまるわけではなく、「やり方」のほうにあるのでは?ということです。
「昭和スタイル」がテレアポをオワコン化させる
テレアポが時代遅れ、オワコンだと言われているのは、以下のような「昭和スタイルの営業電話」のイメージが先行しているからだと考えています。
- 架電件数こそが正義
- ワントーンで台本を読む
- 断られたら即終了→次
正直なところ、まだ「気合と根性のフルプッシュ方式」をしている会社も多いです。昭和スタイルのテレアポは何がだめなのかについて解説します。
「とりあえず100件」「気合で押す」は令和の時代にマッチしない
「1日100件架電は最低ライン!」「もっと声出していこう!」「◯件つながるまで掛け続けろ!」
こうした体育会系ノリで実際に成果が出るのならまだいいですが、大概は断られ続けて終わります。
そもそも、相手の状況やニーズを一切見ないまま「とりあえずかける」という手法自体が、令和の購買行動モデルとはかなりズレているんです。Webサイト、SNS、さらには生成AIなど、いまの顧客は情報を得るための手段を幅広く持っているため、「よく分からない人からいきなり電話が来て、一方的に商品を売りつけられる」という体験にはものすごく敏感です。
架電数自体は行動目標として必要ですが、件数だけに比重を置いても生産性が低く、非効率的ですよね。結局アポも全然取れないからこそ、テレアポはオワコンと思われてしまうのです。
スクリプト棒読み・脳死ヒアリングは会話ではない
「スクリプトをまるで呪文のように読み上げている」「相手の温度感やリアクションを一切拾わず、脳死でヒアリングしている」 自分では気づきにくいですが、こうした状態になっている方も少なくありません。
筆者も支援先で架電時の録音を聞く機会がありますが、スクリプトを読み込んでしまう人は、お客様が何か言おうとしているのに遮って話し続けがちです。こうなるともはや会話ではなく、押し売りになってしまいます。
令和のインサイドセールスでは、相手の状況に合わせた会話設計が必須です。一方的に情報を浴びせるだけのトークは、相手からすると「電話に出たこと自体が時間の無駄」になってしまいます。これではテレアポが迷惑がられるのも当然です。
設計なし・目的なしの数字稼ぎは「作業」
テレアポの本来の役割は「関係構築のきっかけづくり」。「この人と話してみたいかも」と思ってもらうための、最初の接点を生み出すことが本来あるべき姿だと考えています。
ですが、昭和スタイルのテレアポは、「どのリードに」「どんな目的で」「何を話すか」がまったく設計されていないケースが非常に多いです。とにかくリストの上から順番にかけて、件数を消化して、日報に数字を書く。このようなアナログ根性型架電スタイルは「営業」ではなく、ただの「作業」ではないでしょうか。
テレアポを令和スタイルにアップデート
とにかく架電する、古いスクリプトを棒読みする、相手に合わせた設計もない。テレアポで成果が出ないのは、こうした古いやり方を続けていることが原因であり、正しい方法を取れば成果は自然に出るものです。
テレアポの成果を裏付けるデータもあります。ビジョナル・インキュベーション株式会社の調査によると、「営業電話をきっかけに商談を受けたことがあるか?」という質問に対して、決裁者の50.9%が「ある」と回答しているのです。 出典:仕事中に受ける営業電話についての調査:電話営業で商談を生むために重要なことは架電前のリサーチ
では、どのようにテレアポをアップデートしていけばいいのか。ここからは、令和スタイルのテレアポに必要な考え方をお伝えしていきます。
スクリプトを相手視点で設計する
まず最初に見直してほしいのが、スクリプトの設計です。
筆者がスクリプトを作るときに一番大切にしているのが、「人に合ったコミュニケーションになっているか」ということ。同じスクリプトを使い回さず、その人の温度感にあった選択肢を用意し、適切に選ぶことが重要です。たとえばリードソースごとにスクリプトを分けるとすれば、以下のような設計となります。

ここがポイントですが、どの層に対しても「Why you?(なぜあなたに電話したのか)」と「Why now?(なぜ今なのか)」が入っていないと、お客様に刺さりません。まずはこの2つの問いに答えられるスクリプトになっているかどうか、ぜひ一度チェックしてみてください。
スクリプトについて、以下の記事でより詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
もうひとつ重要なのが、受付突破。もし受付突破率が悪い場合は「お世話になっております」のちょっとした声色や言い方を変えてみるのが、すぐに取り入れられる技としておすすめです。
実際の取引先に電話する時は「あ、どうも!お世話になってます〜」くらいのトーンですよね。営業電話だと初手の挨拶がぎこちなくなりがちですが、ここを意識するだけで、受付突破率が改善された例も多く見てきました。
受付突破について、以下の記事でより詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
架電リストは数量より確度を意識
スクリプトの次はリストの話です。リストを作るときは「変わらないもの(属性)」と「変わるもの(アクション)」の掛け合わせを考えましょう。

属性とアクションの組み合わせが良いほど、架電の優先順位が高くなります。たとえば「従業員100名以上の情シス部長で、自社セミナーに参加済み」なら、規模感も良くて温度感の高い決裁権がある方と予測できるので最優先にする。逆に「属性不明・アクションなし」のコールドリストは後回しにする、といった具合です。
「100件かけて1件」より「10件かけて1件」のほうが、成果として健全ですよね。会社として1日にかけられる電話の数には限界があるので、限られたキャパシティの中で最強の打線を組んでいく。これがリスト作りのキモです。
人間らしさをちょい足しする
テレアポは最終的に、CtoC(個人対個人)のコミュニケーションだといえます。相手が目の前にいない分、耳で受け取る印象がすべてを決めるため、いかに最初の印象を良くするかが非常に大切です。
とはいえ先程もお伝えしたように、スクリプトの棒読みはNG。むしろ「人間らしさ」をちょい足しすることこそが、アポ獲得のために有効です。
例として、「人間らしさ」のちょい足しに使えるテクニックを3つ表にまとめました。

こうした小さな工夫の積み重ねが、崩れにくい会話につながります。特に笑声と枕詞は、意識するだけで相手のリアクションが目に見えて変わるので、ぜひ試してみてください。
「テレアポ=時代遅れ」よくある質問
Q. テレアポってもう効かないんじゃないですか? やり方次第では十分に効果的です。記事中でもご紹介したように、決裁者の約50%が営業電話をきっかけに商談に応じた経験があるという調査もあります。テレアポの本質はお客様とのコミュニケーションなので、テレアポ自体が手段としてなくなることは考えにくいと思っています。
Q. テレアポの成果が出ないのは、やっぱり気合いが足りないから? テレアポの成果が出ない原因は、リストの精度やスクリプトの設計、話し方にあります。精神論でカバーできる範囲は本当に限られているので、まずは仕組みの見直しから始めることをおすすめします。
Q. 電話ってもう迷惑がられるだけじゃないですか? 迷惑がられるのは「相手のことを考えていない電話」です。相手の役職やニーズに合わせたパーソナライズされたトークを心がければ、「この人の話、ちょっと聞いてみようかな」と思ってもらえる余地は十分にあります。
Q. インサイドセールスのメール・SNSじゃダメなの? もちろんメールやSNS営業も有効な手段です。ただ、テレアポにはリアルタイムで相手の反応を見ながら会話できるという、他のチャネルにはない強みがあります。リードの温度感に合わせて、テレアポやメールなどの手段を使い分けるのがベストです。
Q. 結局、何が令和スタイルのテレアポなの? 一言で言えば「ニーズに合わせた設計がされているテレアポ」です。リードソースや役職に応じたスクリプトの使い分け、「Why you?」「Why now?」に答えられるトークの組み立て方など、お客様本位のコミュニケーションが重要です。
Q. 今から始めるなら、どんな風にテレアポ設計したらいい? まずは顕在層・準顕在層・潜在層の3種類のスクリプトを用意して、相手に合わせたコミュニケーションをするところから始めてみてください。スクリプトは大きく6つのセグメント(受付突破、フロントトーク、切り返し、時間打診、ヒアリング、終話)で構成するのがおすすめです。
Q. テレアポってもうAIで全部置き換わるんじゃない? テレアポがAIに置き換わることはないと考えています。テレアポの本質は「人と人のコミュニケーション」です。相手の微妙な温度感を読み取ったり、予想外の質問に柔軟に対応したりする力は、まだまだ人間にしかできません。AIはあくまでサポートツールとして使いつつ、人間ならではの対話力を磨くほうが、結果的には一番強いと思います。
オワコンなのは、テレアポじゃなくて「やり方」
「テレアポなんて時代遅れだ」「試したけど効果がなかった」
そう思ったことがある方は、「やり方」をアップデートできていないのかもしれません。リストの精度やスクリプトが何年も前のまま、会話設計なんて考えたこともない。それで「テレアポは効率が悪い」と言っても、それはテレアポのせいじゃなくて、やり方のせいですよね。
特に若手の営業の方は「テレアポがつらい」「本当に必要なの?」と感じているのではないでしょうか。今こそ、自分のやり方を見直して、令和スタイルのテレアポにアップデートしてみてはいかがでしょうか。
もしテレアポのやり方をもっと詳しく知りたいいと思っていただけたなら、ぜひ弊社JYMにご相談ください。筆者のSNSアカウントからも相談を受け付けていますので、お気軽にDMいただければと思います。