「検討します」の優しい言葉に甘えてない?テレアポで「検討」と言わせない時間打診と切り返し方

橋本陽介
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テレアポで良い感じの雰囲気で終話できたし、先方からも「一度社内で検討させてください」と言っていただけた!!

と喜んでいたら、その後の連絡が一生来なかったという悲しい経験、営業のみなさんなら一度はありませんか?

検討しますと言われたあのとき、どう返せばよかったんだろう……。そう悩む方も多いと思いますが、実はその発想がすでに半歩遅いんです。「検討します」と言われてから返すのではなく、そもそも「検討します」と言わせないようにすることが重要なんです。

この記事では、これまで20万回以上コールしてきた筆者が導き出したアポをもぎとる話法「時間打診」の使い方や、「検討します」に対する切り返しの極意をお伝えします。

 

テレアポの「検討します」は、ただの優しい断り文句である

検討します=提案内容を持ち帰って社内で協議を進めるという意思表示に思えるかもしれません。しかし、インサイドセールスの現場における「検討します」は、意味が全然違います。

実は「検討します」は一番やっかいな断り文句です。たとえば「興味ない」なら関心が低い、「忙しい」はタイミングが悪い、「予算がない」は投資判断ができないというふうに、断り文句にはそれぞれ理由があります。

「検討します」はそのどれにも属さず、角を立てずに会話を終わらせるための便利フレーズとして使われているケースが圧倒的に多いんです。つまり、実質的には失注であり、そのまま電話を切れば二度とつながらなくなる可能性すらある、もはや「死の宣告」といえます。

検討します=脈ありと勘違いして連絡を待つ悲劇

筆者が新卒の頃にいた会社では、1日300コール、寝る間も惜しんで架電していた時期がありました。やっとの思いで話を聞いてくれた企業の担当者がとても良い感じの方で、拙い案内でしたがアポの提案に対して「検討してみますね」という一言もいただけたんです。

少しして上司に「あの件、その後どうなった?」と詰められてその担当者にもう一度架電したら、「えーっと、何の話でしたっけ?」と言われる始末でした。

おそらく、似たような経験のある方は多いと思います。「検討してくれるんだ!ラッキー!」と勘違いして、待ち続けた挙句、見事に裏切られる。セールスで一度は直面する、通過儀礼みたいなものだと思っています。

顧客が検討すると言って、本当に検討したことは一度もない

これまでの経験から確信をもって言えますが、電話口の担当者は、あなたの電話を切った3秒後には別の業務に戻っています。会議の資料を作っているかもしれないし、上司から呼ばれているかもしれない。とにかく、あなたの提案を「検討する」ために脳のリソースを割くことはありません。

つまり、「検討します」と言われた時点でその案件は終わっていると、まずは前提を変えてください。そこから逆算して、「検討しますと言わせない設計」と「言われたときのリカバリー」を考えていくことこそが、セールスの腕の見せどころです。

「検討します」と言わせない!アポ率を上げる「時間打診」

では、「検討します」と言わせないためには具体的にどうすればいいのか。ここからは、相手に答えるスキを与えない「時間打診」のテクニックをお伝えします。

オープンクエスチョンで逃げ道を与えてはいけない

まず、絶対にやってはいけないのが「いかがですか?」「どうされますか?」のような、相手が自由に回答できるオープンクエスチョンでクロージングすることです。途中まで良い感じに話が進んでいたとしても、この一言で台無しになる可能性があります。

セールス:……というサービスなんですけれども、ご興味あればいかがでしょうか?顧客:あー、そうですね。一度社内で検討させてください。

こんな感じで、オープンクエスチョンは相手に「検討します」「結構です」「考えておきます」といった逃げ道の選択肢を全部与えてしまっているんです。

人間は不思議なもので、選択肢が多くなればなるほど、決断しない・先延ばしにするという選択をとりがちです。これは行動経済学の世界でもよく言われている話で、「決定回避の法則」として知られています。

相手に選ばせる、2択のクローズドクエスチョンの活用

ではどうするか。答えは2択でしか回答できないクローズドクエスチョンで時間打診をすることです。

クローズドクエスチョンとは、あらかじめこちらが解答の選択肢を指定して、相手に答えを求める質問形式のこと。「AとBだったらどっちがいいですか?」という感じですね。

要するに、「検討します」という選択肢をいかに与えないようにするかの勝負といえます。

「◯日と◯日、どちらが良いですか?」で脳をハックする

ただし、クローズドクエスチョンにも良い例と悪い例があります。

[良い例]

セールス:では、来週の火曜日と木曜日でしたらどちらがご都合よろしいですか?

顧客:あー……木曜日の午後ならちょっとだけ大丈夫です。 セールス:ありがとうございます!では木曜日の午後14時と16時、どちらが空いてますか?

[悪い例]

セールス:では一度お会いしてお話できないでしょうか?難しいですか?

顧客:うーん、一度検討してから連絡しますね。

どちらもアポ取りがゴールですが、悪い例は「会うか・会わないか」を聞いてしまっています。一方、良い例は相手が「会うか・会わないか」ではなく、会う前提で「いつなら都合がいいか」だけを選んでもらう設計になっています。

これは「決断誘導」というテクニックで、「会うか・会わないか」という決断を、「火曜か木曜か」という決断にすり替えて、相手に考えるスキを与えないようにしています。

ポイントは、提示する2つの日程は1週間以内のなるべく近い日にすること。先延ばしにすればするほど、相手の中で「あの件って必要だっけ?」という疑問が膨らんでしまいます。鉄は熱いうちに打て、ですね。

それでも「検討します」と言われたときの実践的な返し方

どんなに時間打診を磨いても「検討します」と返ってくることはあります。「そうですか」と引き下がるのは愚策で、むしろここからが本当の勝負といえます。

1回の電話で3回までは食い下がるのがインサイドセールスの鉄則

まず、1回の電話では最大3回のアポ打診のチャンスがあると覚えてください。筆者の経験上、アポの打診回数とアポ取得確率の内訳を分解するとこうなります。

⚫︎初回打診でアポが取れる:50% ⚫︎2回目の打診でアポが取れる:40% ⚫︎3回目の打診でアポが取れる:10%

つまり「うちは結構です」とNGをもらってから会話展開ができるかできないかで、約2倍の成果の差分が生まれるということ。初回打診で諦めている人と、3回まで粘れる人とでは、月のアポ数が倍違ってきます。

この3回のチャンスを演出するために役立つのが、応酬話法(切り返し)です。応酬話法とは、顧客のネガティブな発言に対して、こちらの意思で切り返して会話展開を行う話法のこと。いくつかの型がありますが、具体的な内容については以下の記事で詳しく解説しているので合わせて読んでみてください。

応酬話法は「マニュアル」「トレーニング」で変わるのか?断られたときの返し方とアポ率向上の極意

「差し支えなければ、どのあたりを懸念されてますか?」の深掘り

具体的なトーク例で、切り返し方を見ていきましょう。

顧客:一度社内で検討させてください。

セールス:ありがとうございます!差し支えなければ、社内でご検討いただくにあたって、ネックになりそうな部分ってどのあたりでしょうか?

顧客:コスト面ですかね。費用対効果が本当に見合うのか、ちょっと判断しづらくて。

セールス:あーー、(あえて間をゆっくり取りながら)コスト面ですか。確かに、費用対効果が見えないと判断難しいですよね。ストレートに聞いちゃうんですが、もし◯◯円くらいだったら、検討の俎上には乗りそうな感じですか?

顧客:うーん、その金額ならまあ、現実的に話は聞けるかもですけど……でも、効果が見えないと社内も通せないですし。

セールス:そうですよね〜。実はちょうどよかったんですが、御社と近い規模の◯◯業界の企業様で、導入後3ヶ月で◯◯の数字が改善した事例がうちにありまして。もしよろしければ、その事例ベースで15分だけお時間いただきたいんですが、来週の火曜・木曜あたりはご都合いかがでしょう?

この会話では初回打診で断られたあと、1回目の切り返しで「コスト」という具体的な懸念点を引き出し、2回目の切り返しでその懸念に対する解決の糸口(事例)を提示して、もう一度クローズドクエスチョンで時間打診しています。

応酬話法のテクニックもいくつか使っているのが分かりましたでしょうか。たとえば、「差し支えなければ」という枕詞。予算や決裁、本音の懸念点など、ヒアリングハードルが高い情報を聞き出すときに有効です(ストレートに聞いちゃうんですが、という言葉も実は結構使えます)。

間の取り方もテクニックのひとつです。顧客が懸念点を答えてくれたら、すぐに切り返すのではなく、一拍置いて「……」と間を作ってみてください。お互いに思考の整理ができますし、相手に落ち着いた印象を与えることができます。

次の架電につなげる、追客に向けたログの極意

ここまでしても「検討します」で終わってしまうパターンも、もちろんゼロではありません。ですが、ここで追いかけるのを辞めるのはもったいなくて、その後の「追客」で勝負が決まるケースも多いんです。

前回のNG理由(検討理由)が最強のアイスブレイクになる

「お世話になっております、株式会社JYMの橋本です。先日お電話させていただいた件で——」

こんな入りで2回目の架電をしても、顧客は「あー、はい……」と冴えない反応をすることがほとんどです。なぜなら、相手の中で前回の電話の文脈が完全に消えているからです。

ここで使えるのが、前回のNG理由(懸念点)を引っ張ってくるというテクニックです。

セールス:お世話になっております、先週お電話したJYMの橋本ですが、僕のこと覚えてますか(笑)?

顧客:橋本さん……すみませんちょっと覚えてなくて。

セールス:そうですよね〜!全然お気になさらずです。実は先月うちの◯◯という顧客管理ツールについてお電話差し上げたですが、「うちは◯◯が課題だから」とおっしゃっていたじゃないですか。実はあのあと他社様で同じ課題を解決した事例ができたので、ご紹介できればと思いまして。

顧客:あ〜、なんとなく思い出しました。

2回目の架電では、前回の接点を振り返って話すのが効果的です。これだけで「なんか電話をかけてきた知らない人」から「◯◯のツールを紹介してきた人」という認識に変わり、会話のスタートラインが揃います。

2回目だからといって本筋と関係ない話でアイスブレイクをせずとも、接点を思い出してもらうことのほうが効果的です。

アイスブレイクの技術については、こちらの記事も合わせて参考にしてみてください。

天気の話はもうやめよう!テレアポのアイスブレイクは2回目架電でこそ真価を発揮する

未来の自分と仲間を救う「端的なログ」の残し方

2回目以降の架電で死活問題になるのが、ログの残し方です。

たとえば「検討とのこと」「再架電希望」みたいなフワッとしたログを見たことないですか? こういう書き方をしてしまうと、未来の自分や、別の担当者がこのリストを引き継いだ時に何の役にも立ちません。

筆者がいつもメンバーに伝えているのは、「次に誰が電話してもパス出しができるログを残せ」ということ。具体的には、以下の3点が最低限必要です。

⚫︎何がネックで検討になったのか(懸念点の中身) ⚫︎いつなら結果がわかるのか(次の架電タイミング) ⚫︎誰の判断待ちなのか(決裁フローの状況)

ダメなログと良いログを比較してみましょう。

ダメなログ 「検討中。後日再架電希望」

イケてるログ 「コスト面(特に初期費用)がネックで、上長(◯◯部長)への上申を11月後半に予定。再架電は12月第1週推奨。前回トーク『現行ツールからの乗り換えコストが課題』との発言あり」

差は歴然ですよね。後者なら、たとえ別の担当者が引き継いでも、いきなり「◯◯部長への上申はその後どうなりましたか?」と切り出せます。

ちなみに、過去にアポが取れた電話の成功パターンも記録しておくのがおすすめです。「アポが取れた時に自分が何を返したか」のメモを蓄積していくと、自分の勝ちパターン集ができあがって、架電の精度がどんどん上がっていきます。

よくある質問:「検討します」の壁

Q. テレアポで「検討します」と言われたら、脈ありですか? A. 残念ながら、ほぼ脈なしと思ってください。「検討します」は角を立てずに会話を終わらせるための優しいお断りであるケースが圧倒的に多いです。本当に検討する気がある顧客は、その場で具体的な質問や懸念点を投げてきます。

Q. 「検討します」と言われた後、いつ再架電(追客)すべきですか? A. 打診を重ねても「検討します」と言わたら、「ちなみに、いつ頃お返事いただけそうですか?」と再架電のコンセンサスを取っておくのが鉄則です。期日が決まっていない追客は、相手から見れば突然の営業電話と同じことになります。

Q. 「検討します」と言わせないためのトークスクリプトのコツは? A. クロージング部分を2択のクローズドクエスチョンで設計してください。「いかがですか?」ではなく「◯日と◯日でしたらどちらがご都合よろしいですか?」とすることで、相手に「検討する」という選択肢を与えるスキを防げます。

Q. しつこく食い下がってクレームになりませんか? A. 食い下がり方次第で、あくまで「顧客の本音を理解したい」というスタンスで臨むのがポイント。たとえば「差し支えなければ、どのあたりがネックですか?」と懸念点を聞きに行く深掘り型の切り返しなどを活用して、1回の電話で3回までを目安にチャレンジしてみてください。ただし、相手の温度感が完全に冷えている時は無理せず引きましょう。

相手にその場で決断させるのは、時間を奪わないための配慮である

「検討します」と言われて「わかりました、またお電話します」と引くのは、一見、真摯な対応に見えますよね。でも筆者は逆で、実は残酷な行為だと思っています。

なぜなら、顧客の頭の片隅に「あの件、断らなきゃいけないな」というタスクを残し続けることになるからです。

相手にそのタスクを抱えさせるくらいなら、その場で「YESかNOか」を判断できる材料を提示し、無駄な検討時間を奪わないことこそが、プロの営業としての配慮と考えています。

最後に、JYMでは一緒に働くメンバーを募集しています。この記事を読んで「もっと現場のノウハウを学びたい」と思った方は、ぜひ僕と一緒に働くことを検討してみませんか? SNSアカウントからDMいただければ、ここに書いていないテクニックもお伝えさせていただきます!

橋本陽介
代表取締役

制作会社でインサイドセールスの構築および販売実践。その後広告代理店にて国内大手から、スタートアップまで200社以上のプランニングを手掛け、部門売り上げ倍増などの成果を元に事業責任を歴任。続くSEOコンサルティング会社で広報採用、アフィリエイト事業の責任者を歴任し社外取締役に就任、並びにJYMを設立。

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