売上急拡大の裏側にあったもの。人と事業を変えた3年半の伴走支援
世の中の変化とともに、新規事業の拡大やビジネスモデル変革を迫られている企業は少なくありません。
アイティクラウド株式会社は、SaaS管理プラットフォーム「ITboard」を立ち上げたものの、売上・契約数が伸び悩み、“正解”を見つけることができていない状態でした。
そこから、JYMによる支援が始まり3年半。営業支援から始まり、やがてマーケティング、事業推進へ広がり、売上・契約数ともに急増。その変化の中心には、一人の営業担当者の成長がありました。
本記事では、現場で伴走したリアルなエピソードとともに、「人」と「事業」がどのように変わっていったのかを紐解きます。
アイティクラウド株式会社
⚫︎設立:2018年4月 ⚫︎従業員数:56名(2026年6月1日時点) ⚫︎事業内容: BtoB IT製品・クラウドサービスの企画・開発・運営 ・ビジネス向けソフトウェア・クラウドサービスをはじめとするIT製品のレビュープラットフォーム「ITreview」 ・SaaSのセキュリティ評価情報を確認・管理できるサービス「ITreview SaaSセキュアチェック」 ・最新のITツールがオンラインで買えるECサイト 「ITreviewオンラインストア」 ・SaaS一元管理を提供する、SaaS管理プラットフォーム 「ITboard」 ・法人向けソフトウェアやPC等のIT関連製品を幅広く取り扱う「LICENSE ONLINE」 ⚫︎HP:https://itcrowd.co.jp/
【課題】 ・新規事業の営業手法が確立されていない ・営業・マーケティングが分断されている ・現場リーダー育成の仕組みがない
【解決法】 ・目標から逆算したKPI設計、商談・提案の標準化、日報・1on1を通じた改善サイクルによって、営業活動の型化と数値管理を徹底 ・リード獲得〜受注までの導線を整備し、営業とマーケティングを一体で支援 ・営業マネージャーの立場での支援や経営層の方針を行動計画へ落とし込む、伴走型マネジメントを実施
【成果】 ・新規事業の売上が支援スタート時から約20倍に成長 ・現場担当者が事業を牽引するリーダーへ成長
仕組みや手法も何も定まっていない状態からのスタート
(左から時計回り)JYMジョニー、JYM橋本、アイティクラウド新木さん、アイティクラウド小之原さん
――まず、JYMとの関わりが始まった背景を教えてください。
アイティクラウド_小之原:ITboardが正式にローンチしたのが2022年4月で、それから約半年が経った頃にJYMさんの支援がスタートしました。
当時のチームは立ち上がったばかりで、私を含めて現場は20代後半の若いメンバーが中心でした。みんな若さゆえの熱量ややる気はありましたが、実務経験があるわけではなく……。モチベーションの高さで突っ走っていました。
JYM_橋本 :確かに、勢いはある一方で、営業活動における仕組みや、市場に対してどうアプローチしていくべきかという「登るべき山の登り方」が見えていない状態だったと記憶しています。
小之原:営業の仕組みや手法もまったく定まっていなかった状態で。どう動けばいいのかもわからない。そんな中で、月末の目標数値だけは追いかけなければいけない。毎日が手探りな状態でした。

アイティクラウド_新木:当時はメンバーも限られていて、仕組みやノウハウを整える余裕もなかったと聞いています。そこで外部の支援会社を探しているなかでJYMさんと出会ったんですよね。
橋本:当時、責任者の方からお話をいただいたときは、親会社であるソフトバンク魂を継承してバリバリ営業をやっていきたい、ブーストをかけていきたいという機運を感じました。
――そんな中で、JYMはどのように関わっていったのでしょうか。
橋本:仕組みの構築以前に、みんなのエネルギーが同じ方向に向いていないような印象を受けて、方向性・マインドを統一していくことからはじめました。
最初の1on1で腹を割って本気で向き合う気持ちを伝え、信頼できる関係性をつくりました。私もジョニーも、当時の責任者の部下になったつもりで、授かったメッセージを伝えていく心持ちで接していましたね。
小之原:当時は営業チームとしても何から手をつければいいのか見失いかけていた。そこにJYMさんが支援に来てくださり、最初の1on1で「自分のできていないところも含めて、120%フィードバックして教えてほしい」とお願いしたことをはっきり覚えています。
それまで、自分たちの課題を明確に、厳しく指摘してくれる存在がいなく、藁にもすがる思いでお2人にお願いしましたね。
“型”をつくり徹底的にやる。現場に入り込んだ営業支援
橋本:その後、大きなビジョンを描きつつ、「3ヶ月後に、何が何でも1件の新規受注を取る」という具体的な目標を掲げ、マイルストーンを設計。目標を細分化し、営業教育・商談の型化などを通じて週単位・日別の行動に落とし込んでいきました。
小之原:ゴールが見えたことはとても大きかった。目標が明確な数字として落とし込まれ、動き方が可視化されたのでとても助かりましたね。
JYM_ジョニー:加えて、「その日の良かった点、悪かった点、次への改善策」を毎日報告していただき、変化や気付きを積み重ねていただきました。
当然、私たちも日々の日報を見てフィードバックすることを徹底し、お互いの共有を深めていきました。
小之原:最初は、半信半疑な部分もありましたが、日次の振り返りを愚直にやることで、自分の思考が整理されていくのを実感しました。
そして実際に、3ヶ月後に待望の新規受注を獲得することができたんです。「ここまで細かくやれば、成果につながるんだ」と身をもって実感し、大きなターニングポイントになりました。
ジョニー:言われたことはとりあえずやってみる、そして、やり切る。そんな小之原さんの姿勢が、成果につながったと思います。
マーケティング支援への拡大とともに事業推進へ
――その後、新木さんが役員としてジョインされますが、当時のチームやJYMの支援はどのように見えていましたか。
新木:JYMさんが単なる「外部のコンサルタント」としてではなく、実質的なマネージャーのポジションに入り込み、泥臭くコミットしてくれていたのは非常に心強かったですね。
橋本:新木さんが入られてからは、より「事業をどうやってグロースさせていくか」という視点で、支援領域の拡大や戦略設計への関わり方が大きくなっていきました。
――営業からマーケティング支援へ広がっていったタイミングですね。
橋本:営業とマーケティングは切り離して考えることはできません。どれだけ営業プロセスを磨いても、リードの質や量、ターゲット選定がズレていれば成約率は上がりません。自然と、マーケティング領域へも踏み込んでいきました。
ジョニー:マーケティングでは、ハウスリストへの定期的なメールマーケティングの設計、ホワイトペーパーの作成、展示会の企画・運営、導入事例記事の制作など、幅広く支援させていただきました。

小之原:営業だけでなくマーケティングにも関わるようになり、「マルチプレイヤー」としての自信がつきました。
ジョニー:支援領域の広がりに合わせて、小之原さんもレベルアップしていきましたね。
小之原:ちょうど、メンバーの入れ替わりがあり、リーダーが不在の状態になりました。自然と「自分が引っ張っていかなければ」という気持ちが湧き、リーダーを目指すことに。仕事のスタンスや日々の行動の見直しをするようになりましたね。
橋本:新木さんから示されたビジョンやロードマップの実現のために、小之原さんがどんな役割を担ってもらうか。新規事業の成長と小之原さんの成長が結びつきはじめた瞬間でした。
小之原:個としての動きから、チームとしての動きや管理に広がっていきました。JYMさんから叩きこまれた「ゴールから逆算して考え、行動すること」が染み付いていたので、大変さよりもゴールに向かう楽しさがありました。
ジョニー:リーダーになってから、メンバーの方々の管理や教育に思い悩んでいることもありました。でも、考えながらやり方や伝え方を工夫し、メンバーの成長を後押ししていたことが印象に残っています。まさに、チームを動かしていましたね。
繋ぎ役となり、本気で向き合いながらチームをまとめる

――新木さんとJYMの間では、どのような連携や戦略設計が行われていたのでしょうか。
新木:私としては、JYMさんに対して、事業責任者としての私の意志やロードマップを理解した上で、それを現場のチームがどう具体的に実行するかという「繋ぎ役」の役割を強く期待していました。
JYMさんとは非常に綿密にコミュニケーションを取り、私の描くビジョンや方針を、具体的な行動目標へと落とし込んでもらっていました。
橋本:新木さんからのロードマップや経営レベルの視座をいただきながら、それをどうやって「行動」に落とし込むか。この設計には細心の注意を払いました。
ただ「頑張ろう」と発破をかけるだけでは変わりません。時に経営陣の期待に対して現場のレベルが追いついていないと感じたときには、一歩踏み込んだ形で軌道修正を行いました。
小之原:今だから言えますが、橋本さんから本当に厳しく詰められたこともありました(笑)。「新木さんから求められているレベル、スピード感に全く達していない。このままでいいのか」と、作戦会議という名の猛烈なフィードバックを受けることもありましたね。
ジョニー:その時は、私も同時に現場担当者として、橋本から猛烈なフィードバックを受けるっていう状況で……。小之原さんのケアをしながら、二人三脚で乗り越えるっていう関係性でしたね(笑)。
橋本:当時は、ほんとに自分がマネージャーであるかのような意識で向き合っていたので…。
でも、後から小之原さんに言い過ぎてしまったと反省して、新木さんに「すいません、また厳しく言ってしまいました」と裏で報告とお詫びをすることもありました(笑)。
新木:いや、でもそこまで感情を動かし、本気で向き合ってくれる人はなかなかいないですよ。私は裏で報告を受けながら、「そこまで本気なんだな」と、安心してお任せしていました。
小之原:ジョニーさんは、メンタル管理をしていただくような関わり方から、壁打ちや相談相手になり、最近は役割分担を通じて二人三脚で事業を推進していく関係性になっていきました。寄り添い方の変化があったのは、ありがたかったですね。
支援スタート時から約20倍の売上規模へ成長!3年半の変化の軌跡
――3年半の伴走を通じて、事業やチーム、そして個人としてどのような成長や成果がありましたか。
小之原:数ヶ月に1件の契約から毎月の定期的な契約獲得へ、最近では、単月での目標達成を実現しています。
支援スタート時の売上規模から比較すると、約20倍ほどに成長していますね。 ※売上成長について、2022年10月と2026年3月時点の比較になります。
橋本:新規事業なので、数字変化は大きいですよね(笑)。
チームとして動けたこと。みなさんが一丸となって素早くPDCAを回せたことが成長を生み出せている要因だと思います。
新木:スタートアップなのでスピード感を持ってやっていく必要はあるものの、みなさん、よくやっていただいたと思いますよ。ほんとに。
たまに、無茶を言ったかなって思いますけど(笑)。腹割ってコミュニケーションを重ねるなかで、橋本さんを通じて私の考えがチームに落とし込まれ、まとまっていきましたね。
小之原:JYMさんの支援を通じて、徹底すること。そして、棚卸しをすることの大切さを学びました。
個人でもチームでも「やると決めたことをやりきる」ことは、簡単ではありません。でもやれば、見えてくることがあり、それがヒントになって成果につながることがあります。
その過程で、キャパオーバーになったり、辛くなったときに必要なことが棚卸しでした。ネガティブな状況を、整理して書き出していくと原因が見えてきます。原因を取り除いていくことで、いくつもの山を乗り越え、走り続けてこれました。この経験をチームのメンバーにも伝えていきたいです。
まとめ:成長に必要なものは、人と人との「信頼関係」
――今後の両社の関係性、未来へ向けた展望を教えてください。
小之原:実は私は、このITboardの事業部から離れ、アイティクラウド内で自分自身のさらなるステップアップに向けた新しいチャレンジを始めることになりました。
私が別の場所で一回りも二回りも大きなビジネスパーソンになり、今度は私の方から「JYMさん、一緒に面白いビジネスをやりましょう」と声をかけられるようになりたいです。
橋本:私たちも今の自分たちの実力に満足せず、より強くなり、小之原さんやアイティクラウドさんがさらに大きな挑戦をする際に、いつでも頼りにしてもらえるような存在であり続けたいと思います。
新木:ビジネスにおいて、AI化が進んだり、効率的な手法が日々アップデートされたりしていますが、結局のところ、最後に残るのは「人」なんですよね。
成長に必要なものは、人と人との「信頼関係」です。JYMの皆さんと私たちは、単なる「支援会社とクライアント」の関係を超えて、一つの目的のために共に戦った「チーム」でした。この関係性は、たとえ所属する組織や役割が変わったとしても、大切にしていきたいですね。
ジョニー:ありがとうございます。これからもお互いに切磋琢磨しながら、それぞれの場所で成長し、また新しい形で交われる日を楽しみにしています。