インサイドセールスがつらいのはなぜか?テレアポで病む理由と対処法

橋本陽介
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架電、つらいですよね。筆者は新卒時に1日300コールを行い、3年間で20万コールを実施しました。ひたすら架電の毎日でしたがどんな環境かといいますと、同じチームの後輩がある時、急に机の上に書籍「嫌われる勇気」を一冊置いたたまま会社を出ていき、その後二度と現れることはありませんでした。そのため架電の辛さは身をもって理解しております。

そんな筆者が荷電者のみなさんの言葉を代弁して、インサイドセールスのつらさの理由を分解し、簡単な対処方を解説します。語り切れない部分はありますが、何かの参考になれば幸いです。

なお、けっこう病んでしまっていて困っているという方は私のTwitterのDMまでご相談ください。なんの足しになるのかは分かりませんがご相談に乗らせて頂きます。

 

インサイドセールスがつらいと感じる理由

「インサイドセールスはつらい」。これはこのページを見ている人の確かな共通認識ですよね。

そもそも連日電話を掛け続けること自体が苦行となりがちですし、そこに日々の架電ノルマが重くのしかかります。アポが取れない日々が続くと架電者は追い込まれダークサイドに落ちていき、業務改善の余裕も失われる悪循環にも陥りがちです。

そんな状況に輪をかけるのが、上司からの厳しいプレッシャーです。強力な圧を受けてひたすら架電を繰り返すも、そこに飛んでくるのは架電先からからのキツいお言葉。もはや人として扱われていないような対応をされることもありますよね? それでもつらさを感じないという人は、もはや超人といって過言ではありません。

インサイドセールスはなぜつらいのか? 「やめとけ」とネガティブな声が支配的になっているのか? 次の観点に因数分解して、その理由を深掘りしていきます。

  • 毎日電話するルーティンワークがきつい
  • 毎日ノルマと向き合わなければいけない
  • 個人単位での改善を繰り返さなければいけない
  • 上司が厳しい
  • お客さまに迷惑がられる

 

毎日電話するルーティンワークがきつい

まず、電話をひたすら掛け続けること自体がシンプルにつらいですよね。何がつらいかというと、単純に大量のお断りをいただくこと。断られることに慣れている人はいませんし、自分の事を否定されているようにすら感じますよね。

一日あたり、少ない職場でも20~30コール、多い職場なら100~200コールされる方もいるかと思います。その一方で、アポイントは取れて1日1~5件程度がマックスなので、どんなに優秀な人でも毎日10回以上は断られる計算です。1日に何かを10回以上断られる仕事は他にそうそうないですし、誰だって憂鬱な気分になるのは当然でしょう。

ビジネスネームを使ってみる

この対処法は幾つかありますが、そのひとつがビジネスネームを使うことです。荷電時のみ他人の名前を使ってみると、自分と人格を切り分けられるのでおすすめです。 ※会社の方針や文化によります。

否定されているのは「自分」ではないと理解する

一日に何度も断られるのは確かにつらいですが、そもそもテレアポって「自分」が否定されているわけではないんですよね。好きな異性に告白して断られ、「俺の何がダメなのか・・・」と落ち込むショックとは性質が異なります。「このお客さんとはタイミングが合わなかったな」くらいの受け止め方で十分。自分ゴト化の方向性を間違えずにメンタルを守りましょう。

 

毎日ノルマと向き合わなければいけない

架電者には、目安として「何コールして」「何アポ取らなければいけない」といった数字が課せられます。

これを「目標」と捉えるのか、あるいは「ノルマ」として強いられるのか、数字をどれくらい強く追うことになるかは会社によって異なりますが、日次で数字を追う事自体は変わりません。「できた」「できてない」が定量的な成果として日次で表れることは、大きな心理的負荷となります。

もちろん、毎日アポイントが取れるわけではありません。アポが取れない日が続き、精神的に追い込まれた経験がある人も多いはずです。

いまではなく未来に目を向ける

この対処法は、現在置かれている状況に対して愚痴をいうのではなく、明日の成果につながる挑戦を考えることです。そもそも、ノルマへのコミットメントのつらさからは逃れられません。成果へのプレッシャーは、成果をもってでしか楽にならないからです。

長期的な目線を持つ

また、成果には波があることにも目を向けましょう。1週間の合計値をノルマとして、1日の成果に目を向けすぎないマインドセットがおすすめです。

 

個人単位での改善を繰り返さなければいけない

インサイドセールスは団体競技というよりも、個人競技が集約されて結果的に団体競技になっているようなものだと認識しています。そのため、業務改善に関しても個人に依存する側面が強く、孤立無援な環境での成果効率向上が強いられがちです。

また、架電リストの条件によっても改善手法は異なります。さらに、個人の架電スタイルもそれぞれ異なることから、管理者も上手く指導できないというケースも少なくありません。このように、自分に矢印を向け続けなくてはいけないことも、つらさの大きな要因です。

録音を聞いて真似する

具体的な対処法は、まずは自分と似た架電を行っているタイプの人の録音をたくさん聞いて、真似られる部分を真似ることです。手法をパクるアプローチはめちゃくちゃ有効です。車輪の再発明はやめておきましょう。また、上司にロープレをお願いして改善点を細かく指摘してもらうことも重要です。

トークスクリプトを見直す

また、トークスクリプト自体がそもそも効果的ではなく、リードに刺さらないものになっているケースもあるため、自分の掛けているスクリプトを疑ってみることもおすすめです。断られている経験を財産として活かし、スクリプトのボトルネックを考えてみましょう。

 

上司が厳しい

これは職場環境によりますが、上司がインサイドセールスへの理解が乏しいケースや、インサイドセールスの細かい指導ができないケースがあります。もちろん、ノルマの厳しさも悩みの種となり、架電担当者はさらに孤独を深めながら業務にあたり、日々大変な思いをすることになります。

ただし、上司自身がコール管理のマネジメントをキャリアのなかで履修しているケースが稀であることも理解する必要があります。上司の実務経験が乏しく、マネジメント経験が不足しているがゆえに現場が疲弊してしまっている状況もあるため、一概に上司の責任とは言い切れない場合もあります。

困っていることを言語化する

対処法としては、上司から逃げずに対話を心がけることです。上司自身も困っており、悩みを抱えているケースも少なくないため、こちら側が何に困っているのかを言語化し、一緒に考えて欲しいとお願いすることで、関係性が劇的に改善されることも多いです。

上司は部下とつらさを分かち合う

このページを読んでいる人のなかには、マネジメントレイヤーの方もいらっしゃるかもしれません。上司には上司のつらさがあるんですよね。

ならば、つらさを分かち合いましょう。「甘いんだよ、俺のときはもっと〜」なんて昔話はNGです。一緒に散歩にでも行き、なにがつらいのかを整理して、一緒に対処法を考えましょう。営業組織に足りないのは「愛」だと思うんですよね。

 

お客さまに迷惑がられる

上司だけではなく、架電先のお客さまの厳しさもインサイドセールスのつらさの大きな要因です。架電した結果、厳しいお言葉を頂戴する、ぞんざいに扱われてしまうといったケースは多々あります。荷電者のことを人と思っていないかのように接してくることもありますよね? これでは、精神的なダメージを受けない人の方が稀でしょう。

こちらが人間であることを積極的に発信する

対処法として、こちらが人間であることをしっかりと伝えていきましょう。架電の際には機械的に喋らず抑揚を付けたり、逆に口語を混ぜたりすることも、時には効果的にはたらきます。

架電者は麻痺しがちなんですが、怒られることは当たり前ではありません。こちらが人間であることを積極的に発信して、冷たい対応を思い改めてもらいましょう。

相手も人間であることを認識する

逆に、あなたも架電先の人を人間だと考えていないのかもしれません。思い当たる節はありませんか?

塩対応なお客様もサラリーマンであり、忙しい中で作業の手を止めて電話応対に追われる普通のひとりの人間です。「これは作業だから仕方なく架電している」と、ついつい心を閉ざしてしまう気持ちはわかりますが、そうした態度を電話越しに感じさせてしまっては悪循環です。

 

インサイドセールスを経験する価値と将来性の高さ

ここまで読んできて、過去のつらい経験を思い返してしまったかもしれません。変な汗をかいてしまっていたらすみません。

しかし、インサイドセールスはただつらいだけの仕事ではありません。営業マンとしての基盤を確立し、仕事量の基準値を引き上げ、強靭なストレス耐性を身に着けるプロセスの一環でもあるのです。次の観点から、インサイドセールスを経験する価値をいま一度考えてみましょう。

  • 営業の基礎が身に付く
  • 「量」をこなす癖がつく
  • どんな仕事でも「つらい」と思いづらくなる

奇麗事に聞こえるかもしれませんが、つらい仕事だからこそポジティブな姿勢を持って向き合うことは重要です。仕事の価値を見いだせず、「やめたい」「つまらない」といった意識に押しつぶされていては、仕事はもっとつらくなってしまいます。

 

営業の基礎が身に付く

インサイドセールスはつらいです。しかし、この経験は決して無駄ではありません。つらさを乗り越えて日々架電を繰り返し、業務改善を重ねていくアプローチによって、営業における必要な能力の幾ばくかを学べることは間違いありません。

たとえば、お客さまにメリットを短く端的に伝えること、しっかりと買っていただけるように背中を押すこと、アポイントを大事にして粘ることといったスキルです。特に最近では、「しっかりおすすめしてくれる営業マン」は、体感として減っているように感じます。自分にあった商品を、あなたに必要だと端的におすすめしてくれる営業マンは、どこでも重宝されると筆者は考えます。

筆者は新卒当初、日本語が話せないと揶揄されておりましたが、現在はありがたいことに営業の支援などでもお仕事をいただけるようになりました、これもひとえに過去の経験があるからと言い切れます。

 

「量」をこなす癖がつく

仕事の量と質の重要性は、どの会社でも説かれている概念かと思います。そして特に重要となるのは、やはり「量」です。

10代や20代のうちに行った最大値の仕事量は、30代以降の自分にとっての当たり前といえる基準になっていくため、大量に架電してアポイントを追いながら「量」をこなす意識が磨かれることは、今後のキャリアに必ず役立ちます。

どんなに優秀な営業マンでも、1アポイントだけ、1コールだけで受注やアポイントを定常的に取れることはありません。量をこなす修行をすることで、将来的な自分の基準が高まっているとポジティブに受けとりましょう、

なお、筆者は当時週6日働いていたので、まずは量を増やし、その後質を高めていくというフローが作りやすくなりました。

 

どんな仕事でも「つらい」と思いづらくなる

インサイドセールスは単純にめちゃめちゃつらいので、他の業務に対してのハードルは劇的に下がります。社会人をする限り大変なことはたくさんありますが、厳しい業務を最初に経験することで、多くのことはなんでもなくなります。

ほぼ怪我の功名みたいな話ですが、何事もポジティブに捉えましょう。筆者は1日300コールはしていたので、だいたいのことはつらくなくなりました。

 

「インサイドセールス=終わらない作業」の認識がつらさの原因

「そんなことない、テレアポは楽しい」という人は超人です。営業の天才です。ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます。ぜひ、一緒に働きましょう! よろしければ私のTwitterまでDMをお待ちしております。

しかし多くの人にとって、基本的にインサイドセールスはつらいです。まずはそれを事実として受け止めましょう。これは額縁に入れて飾っておきたい、絶対的な真理です。

ただし、やる意義を見いだせないままに単純作業と受け止めていると、もっとつらくなっていきます。自分の将来への投資、修行、自分の成長に対する地盤作りと認識して向き合うことが大切です。

また、未来に目を向けてどのようなステップでテレアポから卒業していくのか、あるいはどのような成長が期待されているのかなどを、上司としっかり話し合うことも重要です。

インサイドセールスは、営業の起点になることもある重要な仕事です。作業と切り分けず、人との対話と捉え、明日からも頑張って架電していきましょう。つらいですけとね!

 


 

インサイドセールスにお困りでしたらぜひJYMにご相談を

JYMではインサイドセールスの立ち上げから実際にコール実施まで伴奏支援しております。

アポが取れない、既存アポ代行業社への改善が出せない、どのリストにかけて良いかわからない、スクリプトをどう改善していいかわからない、コールできるリソースがそもそも社内にない、などインサイドセールス並びに付随するマーケティングに関することでお困りでしたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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どしどしご相談お待ちしております。

橋本陽介
代表取締役

制作会社でインサイドセールスの構築および販売実践。その後広告代理店にて国内大手から、スタートアップまで200社以上のプランニングを手掛け、部門売り上げ倍増などの成果を元に事業責任を歴任。続くSEOコンサルティング会社で広報採用、アフィリエイト事業の責任者を歴任し社外取締役に就任、並びにJYMを設立。

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